活動
研究開発項目5:CA基盤構築の研究開発
最新活動報告
研究開発課題1:CA基盤構築及び階層的CA連携と操作者割り当ての研究開発(宮下敬宏)
多数のCAと操作者を結ぶCA基盤の研究開発に取り組んでいる。CA基盤は、多数のCAと多数の操作者を結びつける情報インフラ(ソフトウェア基盤)である。CA基盤には、基本的な機能として (1) 利用者・CAモニタリング、(2) CA経験管理、(3) CA連携制御、(4) 操作者割当・遠隔操作、以上の4つがあり、本研究開発課題では、(3) (4) の機能の研究開発と、他の研究開発課題の成果を組み込んだCA基盤全体の構築を行っている。これまでに、大阪・関西万博などの大規模実証での活用を前提としつつ、多くの利用者が継続的に利用したくなる全体のアーキテクチャを策定し、このアーキテクチャに沿って、最もシンプルな構成のCA基盤を初期プロトタイプとして構築した。CA基盤は、CAの種類、CA操作者の状況、CAサービス提供場所の状況、CAサービスの種類、以上を組み合わせた状況での利用が想定される。これらに対応したCA基盤を段階的に構築し、想定される利用状況での実社会実証実験を逐次実施し、機能の実証を進めている。
研究開発課題2:利用者モニタリングと経験管理の研究開発(内海章)
本研究開発課題では、グループ5の他の研究開発課題と共同で人間とCAを結び付けるCA基盤の開発を進めており、そのなかでCA基盤の構成要素である利用者・CAモニタリング層、CA経験管理層の研究開発に取り組んでいる。利用者やCA活動のモニタリングデータは、人間の活動に関する貴重な情報を多く含んでいることから多様な目的で活用することができる。CA基盤上で利用者のモニタリングデータと操作者のCA操作の履歴を含むデータを統括管理することで、CAの制御、機能改善を効率的に行うことができるようになる。本研究開発課題では映像・音声通信、CA制御コマンド・センサデータの送受信等の基本機能を持つCA基盤プロトタイプを他の研究開発課題と共同で構築し、CA活動の類似性によるCA操作負荷の削減など利用者・CAモニタリング層、CA経験管理層の有効性を確認してきた。今後は、大規模・多人数の利用に対応した映像・音声データの通信方式の最適化、CA基盤上のサービスがモニタリングデータにアクセスするためのAPIの整備を進めるなど、プロジェクトの多くの研究成果がCA基盤上で活用されるようCA基盤の機能拡張を順次行っていく。
研究開発課題3:CA及びCA基盤標準化(吉見卓)
本研究開発課題では、CAの機能と、策定したCA基盤プロトコルを世界標準にするための標準化活動を行っている。本課題の目標は、異種間相互接続性の確保、CA数の拡張性などについて検討したCAの基盤技術を、国際標準仕様として標準化することであり、具体的には、既存の情報通信・ロボット標準化を拡張する策定方針に基づき、ロボット標準化に実績のある標準化コンソーシアムOMG等を通じた国際標準化活動を推進している。これまでの活動では、現在OMGで仕様策定が進められている、ロボットサービスの機能要件を記述するためのオントロジRoSOに、CAのサービス機能を記述する仕様を盛り込む取り組みを行い、RoSO1.0 Initial Draftの作成を進めた。また、同じくOMGで仕様拡張が計画されている対話サービスのためのロボット機能コンポーネントの仕様記述方法および具体的な共通コンポーネントの仕様であるRoISについて、下部レイヤにはCA基盤のプラットフォーム仕様を、上部レイヤにはモジュール化されたCA機能および操作インターフェース機能の定義を盛り込むことを目標に、これらに必要となる要素を整理し、RFP(提案依頼書)策定のプロセスを進めた。引き続き、本課題の目標達成に向けて、国際標準化の活動を積極的に推進していく。